「Nothing about Us Without Us (私たち抜きに私たちのことを決めるな)」という標語は、Disability Rights Movementの基礎的な信念で、障がいを持つ人が主体となってすべての取り組みやイノベーションに十分参加する必要があるという考えを示しています。Spotifyはこのモデルを実現するため、障がい者によって運営されているアクセシビリティプラットフォームであるFableと提携を結んでいます。当計画を策定するにあたり、当社はあらゆる段階でFableチームと、障がいや神経多様性を持つ従業員で構成される社内の#ableコミュニティと協議し意見を取り入れてきました。
Spotifyは、Fableの協力によって100人以上の障がい者を対象に、アクセシビリティに関するニーズや好みについてアンケートを実施しました。回答からは、視覚、聴覚、認知、言語や移動に関わる支援技術を利用している人の視点を得られました。このアンケートでは、カスタマーサポート、コミュニケーション、雇用、物理的な空間、デジタルプロダクト、環境整備といった幅広いトピックが扱われました。また、Fableは上記と同じトピックについて深く知るため、さまざまなアクセシビリティを必要とする4人とオンラインでのフォーカスグループセッションを行いました。こうした調査から得られたインサイトを活用し、Spotifyのアクセシビリティ計画は策定されています。
当計画の下書きが作成された後、障がいを持つ5人の参加者を含めた別のフォーカスグループが下書きを確認し、フィードバックを出しました。こうした反復的なアプローチに障がい者に参加してもらい、計画を作成することによって、改善が必要な分野を明確にし、その後の3年間に実施するSpotifyのアクセシビリティに関する取り組みの方向性を自信を持って定めることができました。
当社のコンサルティングが当計画の策定に役立った一例を紹介すると、アンケートの回答のなかに、カスタマーサポートの問い合わせに対応する担当者は、支援技術とアクセシビリティを十分理解している必要があるという意見がありました。こうしたフィードバックを受けて、Spotifyは当計画の「情報通信技術 (ICT)」セクションに記載されているとおり、障がい者をサポートするために知識、スキル、ツールを強化して既存のチームを拡大することに取り組んでいます。